命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業 / イチロー・カワチ

健康に欠かせない人間関係の話
日本が世界に誇れる社会の絆

・人間関係と健康のメカニズム① 人とのつながりがその人の行動を決める

人とのつながりによって、知らず知らずのうちに自分の行動が決められることがあり、その結果、健康に影響する。

毎週食べる野菜の量は、男女ともに結婚すると増え、離婚もしくは伴侶が死亡すると減る。
自分がつきあう人や所属するグループによって、その人の行動が知らない間に決まり、健康に大きな影響を及ぼす。

・人間関係と健康のメカニズム② 人と交わるだけで健康になる

人には「人と交わること」で保たれる体の能力や機能があり、人と関わることで健康でいられる。
年齢に関係なく、人と交わることは、体の機能を高めることにつながります。
人との交わりは、特にひとりになりがちな高齢者にとって、とても大切です。

人と関わることで、自分の価値を認識できるというのも大きな効果です。
体や認知の機能は、使わなければすぐに駄目になってしまいます。

何か活動すると言っても、運動など、特別体によさそうなことをしなくてもいい。
ただ同じ趣味の人や近所同士が集まって、話をするだけでいい。

・人間関係と健康のメカニズム③ つながりから生まれる支援の力がある

人とのつながりから生まれる様々な支援(ソーシャルサポート)が健康に影響を与える。
ソーシャルサポートとは、その人が持つ様々な人間関係を通じて受けられる支援のこと。

ソーシャルサポートは主に3つの要素により構成されている。
1つ目は「もの」であり、お金の貸し借り、留守中のペットの世話、冠婚葬祭や引越しの手伝いなど、何かしら直接的かつ物理的な支援を果たすもの。

2つ目は「情報」であり、普段の生活の中で、周りの人々からもらう情報は非常に多く、近所の人に腕のよいかかりつけ医を教えてもらったり、体によい食事のメニューを友達同士で教え合ったりというのが当てはまります。

3つ目は「感情的なサポート」であり、私たちの周りの人々は、困ったことや悲しいことがあった時に、慰めてくれたり、励ましてくれたりします。一緒にいるだけで心が落ち着く人もいるでしょう。健康の維持には、心も健全に保つことが重要です。

入院中にサポートしてくれた人の数が多ければ多いほど、患者の生存率が見事に高まる。

人と人とのつながりは、本人が認識していないところまでも影響を受けている可能性がある。
また、肥満以外にも、喫煙、飲酒、うつ、幸せの感じ方においても、つながりの影響が認められている。

社会疫学では、人が集まった時のパワーは、個人1人ひとりの力を足したもの以上になると考えます。

「人とのつながり(結束)により得られるもの」のことを、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)と言います。
日本には、地域や人とのつながりや信頼感をもとに、人が他人を思いやる協調的な行動をとり、それが地域全体や自分の財産になるという考え方が根ざしている。

ソーシャルサポート・・・個人同士のやりとりがもとになっている
ソーシャルキャピタル・・・地域やコミュニティなどグループ全体の調和や協調性、結束力を表す

ソーシャルキャピタルは、周りの人との信頼関係をつくり、地域の絆を高めます。これに加えて、健康の面でも、地域の見張りの役目を果たします。
ソーシャルキャピタルが高いことで警察などによる社会の仕組みに頼らずに、住民同士が治安や健康を守ることができるのです。
周りの人達と楽しみながら交流できる場合は健康に良い影響を与えます。
一方、つながることが負担になってしまう場合、例えば、個人がつながることで責任を重く感じたり、そこでの人間関係がうまくいかない場合などは、逆に健康に悪い影響を与えてしまう。

 

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