エセー(一)/ モンテ―ニュ

第一章

人はいろいろな方法によって同じ結果に達する
憐憫に心がくじけるのは情にもろく、お人好しの、柔弱な性格の結果である。
誠に人間というものは驚くほど空な、変わり易い、不定な存在である。

第二章 悲しみについて

この着物で知恵、特性、良心を飾っている。
悲しみの力が極まると魂全体を驚愕させ、その自由な働きを妨げる。
味わったり、消化したりできる情熱はすべて平凡なものでしかない。
軽い悲しみは語り、深い悲しみは沈黙する。

第三章

われわれの感情はわれわれを超えていくこと
自分を知るものは、もはや他人の仕事を自分の仕事とは考えず、何よりも自分を愛し、
自分を磨き、よけいな仕事や無益な思考や計画を拒む。

第四章

心は正しい目標を欠くと、偽りの目標には口を向けること
事柄に怒ってはならぬ。事柄はわれわれがいくら怒っても意に介しない。

第八章 無為について

精神は何か自分を束縛するものに没頭させられないと、あっちこっちと、
茫漠たる想像の野原にだらしなく迷ってしまう。
確固たる目的をもたない精神は自分を失う。

第九章 嘘つきについて

むしろ逆に、すぐれた記憶は弱い判断力とむすびやすい。
いったん、舌にこの悪い癖がついてしまうと、それを無くすのがどんなに難しいか。
善を確実で限定されたもの、悪を無限で不確実のものとした。(ピュタゴラス派)

第十章 弁舌の遅速について

どんな人にもあらゆる長所があたえられたためしがない。
緩慢な人は説教家に、敏捷な人は弁護士に向いている。

第十一章 予言について

現在に満足する心は未来を思い煩うことを憎む。
一日中矢を射ていてらいつか的に当らぬはずがない。

第十二章 不屈について

頬に涙は流れても、心は不動である。

第十三章 国王同士の会見の儀礼

礼儀の知識とはきわめて有用な知識である。それは魅力とか美貌とかと同じく、社交や親交の最初のとりもち役をする。

第十四章  幸、不幸は大部分、われわれの考え方によること

人間は、事柄自体によってではなく、事柄についていだく考えによって苦しめられている。死そのものは死を待つことよりもつらくない。徳はこれに払う犠牲が大きいほど喜ばしい。

肉体は、多かれ少なかれ、ただ一つの歩み方しかもたない。ところが、精神はどんな形にでも変化することができる。習慣が天性に勝つことは全くない。なぜなら天性は無敵だから。信仰の刺激は吝嗇の刺激よりも強い。

運命はガラスだ。輝くと見る間にこわれる。

富は収入からよりも、むしろ整頓からくる。富んでいて貧しいのは最もつらい貧しさである。(日本)
結局、金を得ることよりも守るほうに苦労がある。

プラトンは、肉体的・人間的な幸福を、健康、美貌、力、富の順に並べている。
物を欲しがらないことは一つの財産だある。買物好きでないことは一つの収入である。

第十五章

理由なく城を固守するために罰せられること
勇気から無謀と強情と無分別におちいることがある。

第十八章 恐怖について

恐怖はその激しさの点では他のあらゆる出来事を凌駕する。
そのとき恐怖は私の心からあらゆる思慮を追い払う。

 

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